お向かいさんに恋をして

びっくり安達君？！ です！

「あ、ねぇきなこちゃん！　安達君が……」
「あ、安達」

輪投げ屋さんからきなこちゃんに視線を移して、さっきのたこ焼きを焼いてる安達君について聞こうと思ったとこだった。

かぶりぎみに「安達」と言われたので、たこ焼き焼いてる他人行儀な安達君を見つけたのかと思い、そちらに目をやった。

「そっちじゃないよ、さくらちゃん。ほらあそこ。
おーい、安達～！」

「え？」

彼女が手を振っている先は、たこ焼き屋さんとは反対方向だった。

合図に気付いた安達くんが、軽く手を挙げながら反対の手にはタピオカドリンクを持ち、こちらに向かってくる。

「よー。二人も来てたのか」

「安達こそ～！」

偶然だねぇ、と二人はほのぼのと会話を始めているけど、私はパニックだった。