お向かいさんに恋をして
「じゃあ竹井先生、僕はこれで。
波江さん、竹井さん、失礼するよ」

「お疲れ様です秋中さん。
休日にお仕事の話にお付き合いさせてしまって失礼しました」

「秋中さんまたねっ」

「あの、たこ焼きごめんなさいっ
あ、キャンディーありがとうございました!」

私達はそれぞれ秋中さんに合図をして、過ぎ去る彼を見送った。

はぁ、やっぱり爽やかで癒し系な笑顔が素敵……!
私は秋中さんの小さくなってゆく背中を、暫くぼんやりと見つめていた。

「あ、そうだわ!

今から体育館でカップルコンテストがあるのよ!
この文化祭のビックイベントなのよ。
メインと言っても差し支えないわね。
折角だし、見ていったら?」

秋中さんが見えなくなったタイミングで、美奈さんが腕時計で時間を確認してそんなことを言い出した。
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