お向かいさんに恋をして
「波江さん!」

「え?」

私達は驚いて立ち止まった。

秋中さんの周囲のにいるスーツ姿の男性達から、一斉に視線を浴びる。

「秋中、知り合いか?」

「可愛い! 若い!!」

「お前、こっち来たばっかのクセになんで女の子の知り合いいんだよ?!」

スーツ姿の男性達がガヤガヤ言いながら、こっちを見ている……。
うう、かなり恥ずかしい。

留奈さんもぽかんとしている。

「これから、約束していましたよね?!」

秋中さんは言って、私ににっこりと微笑んだ。

約束……?
したっけ?

いやいや、した覚えなんてない。
してたら嬉しすぎて、狂喜乱舞で朝から過ごしているだろうし!

「あの、秋中さ……!」
「遅くなっちゃってごめんね! わざわざ駅までお迎えありがとう! 
てことで、皆さん、お疲れ様です!」
< 24 / 226 >

この作品をシェア

pagetop