お向かいさんに恋をして
今日はバイトの日だ、と、大学を出て慌ててバイト先に行ったところで、

「あれ? 波江さん今日出勤だっけ?」

と、店長に首を傾げられた。

シフトを確認してみると、私の名前はなかった。見間違えていたらしい。

それでコンビニを出て、歩いているところだ。
急にぽっかりと時間が空いてしまった。

何をして過ごそうかな……?

「秋中、さん?」

少し先に、携帯電話をスーツのポケットにしまう秋中さんがいる。
腕時計を見やって、ビジネスバックを軽く持ち直した。

仕事中かな?
今日もビシッと決まっていて、カッコいい……。

「あれ? 波江さん?」

「あ、こんにちは」

私を見つけて手を振る秋中さんに駆け寄った。
嬉しいな、なんだかデートの待ち合わせみたい!
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