お向かいさんに恋をして
本来の届け先の郵便受けにハガキを入れ、部屋に戻ろうと踵を返した時だった。

ぽんっと後ろから肩を叩かれた。

も、もしかして今の見られた? 
人の郵便受けを触る怪しいやつだと思われてたり……?! 

恐る恐るゆっくり振り向くと……。

「なんだ、留奈さんかぁ。
驚かさないで下さいよ」

「やぁね、あたし何もしてないじゃない。
それよりさくらちゃん今ヒマ?

女子会しようよ!
勿論さくらちゃんの部屋でねっ」

「勿論、ですか……」

いつものように当たり前に私の部屋に入ってきた留奈さんは、私より先に定位置に腰かけた。

「やー、やっぱりさくらちゃんの部屋は落ち着くわぁ」

「同じ間取りじゃないですか」

「雰囲気が全然違うわよ~。
で、さっきは何を驚いてたの?」

前置きもそこそこに早速気になることを聞きたがる辺りが、留奈さんって感じ。

「それが……」

私はさっきの出来事を話し始めた。
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