お向かいさんに恋をして
「きなこちゃぁん！　慰めてぇっ」

「わ、ちょっ……？ さくらちゃん？」

突然抱きついた私に、きなこちゃんが慌てているのが分かる。

「……で？　さくらちゃん。
慰めてって、なにか落ち込むことがあったんだ？」

きなこちゃんは私が落ち着くのを待ってくれて、暫くすると静かに尋ねてきた。
　
「……うん、ちょっと、ね……」

きなこちゃんから体を離して言葉を濁す。

「何で落ち込んでるのか分からないとどう慰めたら良いのか分からないから……。

教えてくれない？」

きなこちゃんは無理強いするでもなく、優しくこちらを伺っている。

恋愛話は聞くのは良いけど自分の話をするのは本当に苦手。

留奈さんにはたまたま気持ちがバレてしまって、それから相談するようになっちゃったけど……。
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