お向かいさんに恋をして
講義を受け終えてきなこちゃんと訪れたのは、先日秋中さんとお茶した喫茶店。

雰囲気が気に入って、落ち着いて話せそうだと思ってのチョイス。

だけど、お店についた瞬間、秋中さんとの束の間の楽しい時間を思い出して、チクリと胸が痛んだ。

大丈夫だと思ったんだけどな。
やっぱり他の場所にしたらよかったかな?

「なんかいい感じだねぇ、落ち着く~。
さくらちゃんいい場所知ってるんだね」

よかった、きなこちゃんも気に入ってくれたみたい。
きなこちゃんの優しい笑顔に、胸の痛みが和らいだ。

私達は隅のテーブル席に腰をかけると、おしぼりとお水を持って来てくれた可愛らしい店員さんに、早々にドリンクを注文した。
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