運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【瑠佳】
仕事終えて、ちょうど外に出る所で携帯が鳴った。
着信:仁田陸
「陸、どうしたの?」
「まだ、学校?」
「うんうん、今出た所」
「瑠佳、今からウチに来てくんねぇ?…実は母さんが『瑠佳に逢いたい』って聞かなくて…」
「えっ…?」
思わず、歩いていた足が止まる。
近いうちに逢うこと望んでいたといえ、急な話で戸惑う。
けど、心に迷いはなかった。
「やっぱり、無…」
「今すぐ行くから!」
そう言って、携帯を切って仁田家へと走った。
マンション。
マンションの前に着くと、どこから声がした。
「瑠佳!」
「陸、わざわざここで待ててくれたの?」
「ああ…」
陸はなんだか様子が変だった。
「陸?」
私がそう言うと同時に腕を引っぱられて、陸の胸に抱き締められた。
「瑠佳は…”あの男”とは違うから。…絶対に違う!!」
「…”あの男”って、義父さんこと?」
「それは、中で話すよ」
「うん…」
そう頷いて、差し出された陸の手を取った。