運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


【瑠佳】


仕事終えて、ちょうど外に出る所で携帯が鳴った。

着信:仁田陸

「陸、どうしたの?」

「まだ、学校?」

「うんうん、今出た所」

「瑠佳、今からウチに来てくんねぇ?…実は母さんが『瑠佳に逢いたい』って聞かなくて…」

「えっ…?」

思わず、歩いていた足が止まる。

近いうちに逢うこと望んでいたといえ、急な話で戸惑う。

けど、心に迷いはなかった。

「やっぱり、無…」

「今すぐ行くから!」

そう言って、携帯を切って仁田家へと走った。




マンション。


マンションの前に着くと、どこから声がした。

「瑠佳!」

「陸、わざわざここで待ててくれたの?」

「ああ…」

陸はなんだか様子が変だった。

「陸?」

私がそう言うと同時に腕を引っぱられて、陸の胸に抱き締められた。

「瑠佳は…”あの男”とは違うから。…絶対に違う!!」

「…”あの男”って、義父さんこと?」

「それは、中で話すよ」

「うん…」

そう頷いて、差し出された陸の手を取った。


< 101 / 122 >

この作品をシェア

pagetop