運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


19:00


生徒たちが楽しそう夕食を食べている中、樹里を含む数人の女子たちと話す優姫が目に入る。

…あいつ、楽しそうだな。

今日明日は、俺たちの誕生日。

最近会社が忙しくて、優姫の寝顔しか見てない気がする。

「はぁ…」

「随分とお疲れのようですね。切田先生」

「瑠佳か…」

俺がそう言うと、瑠佳は少し微笑んで隣に座って来た。

「悪かったね。あっち(会社)の仕事が忙しいのに、私の戸籍の手続きに必要が事をやってもらって…」

「俺はウチの顧問弁護士を手配しただけだ」

「そのおかげで、早く手続きが済んだわ。ありがとう」

「良かったな」

お茶を一口飲む。

「…そうえば、誕生日おめでとう」

「覚えていたのか?」

「当然でしょ。友達なんだから。…でも、今日は”彼女”と一緒にいられないから残念ね~」

瑠佳は、わざとらしくニヤリと笑う。

そして、俺も仕返しとばかりにニヤリと笑い言い返す。

「お前、どうだったんだよ?誕生日。”彼氏”に祝ってもらったんだろ?」

そう言うと、瑠佳は体をピックっとさせた。

「知らない!あんなヤツ。最近、妙に機嫌が悪のよ!」

「落ち着け。…お前、酒でも飲んでるのか?」

「飲んでないわよ!」

「じゃあ、『欲求不満』か?」

「それは、枢も同じでしょ?」

と、瑠佳に睨まれる。

「その通りです…」

俺は苦笑いをして、肩を落とした。

< 107 / 122 >

この作品をシェア

pagetop