運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【優姫】
23:00
ベッドに入ってもなかなか寝つけなかった。
…いや、正確には枢からの連絡を期待していた私はすぐに携帯が震えたのがわかった。
【切田枢:まだ、起きてる?】
【起きてるよ】
【切田枢:じゃあ、ドアを開けて】
「えっ」
メールの返信に隣で寝ている樹里に気づかないように、慌ててベッドから下りてドアを開ける。
「かな…んんっ…」
名前を呼ぼうとした瞬間、キスで唇を塞がれる。
「しーー」
それから、枢は黙って私の手を引いてエレベータに乗って最上階ボタンを押した。
「最上階!?」
「優姫、今は黙ってろ」
「だって、…んんっ…こんな所を誰かに見られたら…っ」
「大丈夫だ、誰にも見れない」
そう言って、再び深くキスで唇を塞がれて舌が噛み合い吐息が荒くなる。
やがて…エレベータが止まり、枢はカードキーで鍵を開けて部屋に入る。
「うわぁ~、綺麗な夜景」
私は部屋に入るなり、キラキラ輝く夜景に目を奪われた。
「気に入った?」
後ろから枢に抱き締められて、首筋にキスしてきた。
「あっ…」
「ん、似合ってる」
「えっ…?」
私は2つのハートが羽根のように合わさっているネックレスに気づく。
「枢、これ…」
「まだ少し早いけど、誕生日おめでとう」
「ありがとう。私からも誕生日おめでとう、枢」
私はそう言って、枢にプレゼントを手渡した。
「ネクタイとネクタイビン…」
「私、お金がないから母さんがほとんど出してくれた。だから、正確には母さんと私からね♪」
「ん、すげぇ~嬉しい」
再び枢に抱き締められて、お姫様抱っこをされて私はベッドに下された。
そして、さっきよりも舌を絡み捕られる深いキスをする。
「んんっ…ふぁっ」
「なぁ、優姫。もう籍を入れようか?」
枢の言葉に私は我に返る。
けど、枢は私の服を脱がしていく手を止めない。
「んっ…どういう事?」
「もし、俺たちの関係がバレた時、”義兄妹”として押し通すより『夫婦だから』って押し通すほうが楽だ」
「でも…」
「俺はもう嘘でもお前を”義妹”って言いたくない。優姫を抱くたびそんな事を思うんだ。…俺、ワガママかな?」
そう言って、枢は苦笑いをする。
私はふっと、瑠佳姉ちゃんと社長室で逢った時の事を思い出した。
…『義妹です』
あの時、本当は『恋人です』と言いたいのを呑み込んでそう言った。
もし、私たちの関係がバレた時、同じように言えるだろう?
…嫌。
「…私も嘘でも”義兄妹"って言いたくない。だから、修学旅行から帰ったら私の"夫"になってください」
私はそう微笑んだ。
「ああ、もちろんだ。俺は優姫以外"妻"にする気はないよ」
枢はそう言いながら、私の身体にキスをして…やがて中に入って来た。
「あっ…んんっ…ふぁっ」
いつもように枢に激しく愛されて、なにも考えられなくなった。