運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
☆最終章☆ 高校3年生編
幸せと平行に広がる噂
【優姫】
時は流れて―――私たちが3年生の12月の上旬。
「…き、優姫。遅刻するぞ」
「ん~…」
枢は私の体を揺すり、いつもように朝のキスをする。
「…おはよ、枢」
「おはよ。お前が寝坊するなんて珍しいな」
「えっ、今何時!?」
「7時半。俺、もう出るぞ」
「うわぁ~、待って!すぐに着替えるから!」
私はベッドから下り、慌てて学校に行く支度をする。
「…優姫、大丈夫か?」
「なんで?」
そう言うと、枢は私に自分のおでこをくっつけた。
「熱はないな。…けど、なんかあったら言えよ」
「うん、わかってるよ」
そう言って、私は微笑んだ。
体育の時間。
「グランド2周!」
田中先生にそう言われて、みんなと一緒に走り出すと眩暈(めまい)に襲われた。
…あれ?
なんか急に眩暈…
「…優姫、顔色が悪いけど大丈夫?」
「うん、大丈―――」
と、言いかけて私は意識を失い地面に倒れた。