運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【陸】
俺がその異変を感じ始めたのは…優姫と枢兄から妊娠報告があった、その夜だった。
それから、1か月後の1月。
風呂からちょうど上がると、インターホンが鳴った。
「はい」
応答に答えるとモニターに瑠佳が映る。
「私…」
「瑠佳?…今開ける」
そして、玄関に大きめの鞄を持っている瑠佳が現れた。
時間は22時になろうとしていた。
「こんなに時間にどうし―――」
―――ドッサ。
言葉言い切る前に鞄が床に落ちる音とほぼ同時に、瑠佳が俺の胸に抱き着いて来た。
その身体は少し震えているように思えた。
「…瑠佳?」
「…私の男は、もう陸だけなんだから」
「どうしたんだよ、今さら。なにがあった?」
けど、瑠佳はなにも言わずに俺の唇を塞ぐ。
そのキスは、まるでなにかの不安をかきけしたいかのように深くなってゆく。
唇を離さないまま、俺は瑠佳を抱きかかえながら寝室のベッドに倒れ込む。
「んんっ…ふぁ…」
「瑠佳…っ」
「あっ…陸、私を離さないで…」
瑠佳はそう俺の背中に腕を回して、必死にしがみついていた。