運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【優姫】
卒業式が終わって、教室に戻るとみんなはそれぞれ自由に行動を始める。
「優姫~ひくっ…」
樹里が目を真っ赤にしながら、私に抱き着いてくる。
「おい、そんなに勢いよく抱き着いたら優姫がコケるだろ」
陸がそう言って、一瞬フラつきそうなった体を支えてくれた。
「あっ、そうだった!ごめん」
「うんうん、大丈夫だよ。陸もありがとう」
「おう!」
それから、しばらくして枢と瑠佳姉ちゃんが教室に入って来た。
みんなが席に着く。
「みんな、卒業おめでとう。俺も楽しい3年間だった」
…本当だね、枢。
枢と再会してから、いろんながあった。
楽しい事・辛い事・苦しんだ事。
いっぱいあったね。
「―――これでHRは終わる。18時から『GWホテル』で2次会やるから来いよ」
「「「は~い!!」」」
全員、そう返事をしていったん解散した。
「切田先生、写真一緒に撮ろ!」
「律田先生、好きだ!」
枢と瑠佳姉ちゃんの周りにみんなが群がる。
「陸、行って来たら?」
「あのままだと、瑠佳姉が押し潰(つぶ)されちゃうよ?」
「チッ…」
私と樹里が意地悪ぽくそう言うと、陸は舌打ちをして瑠佳姉ちゃんのほうへ駆け寄って行く。
「お前ら、邪魔」
「おい、陸!今、俺たちは瑠佳ちゃんに…」
「瑠佳」
「…卒業おめでとう。陸」
「ありがとう。…やっとこれを渡せる」
と、陸はポケットから指輪を取り出す。
「…安物だけど、いつかもっといいモノを買うから今はこれで我慢してくれ」
瑠佳姉ちゃんは陸に嵌めてもらった指輪を見て、涙を溢れさせながら首を横に振る。
「うんうん、十分よ」
瑠佳姉ちゃんは陸に抱き着いた。
「「「えええっ~~~!!!」」」
その瞬間、なにも事情を知らないクラスのみんなの声が響き渡った。