運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
「ねぇ、先生」
「ん?」
「なんで、先生は『切田グループ財閥』の社長なのに『教師』をやってるの?」
「親父の影響かな…」
「お父さんの?」
「ん。親父も『教師』をやりながら、『切田グループ財閥』の社長をやってたんだけど…『桐田高等学園』の理事長に就任が決まってから、そっちを本職にしたんだ」
「えっ、あのイケメン理事長が先生のお父さん―――!!??」
私は目を丸くして、思わず大きな声を出してしまった。
「そんなに驚く事ないだろ?第一”名字”が一緒だろ?」
「あっ、そういえば…」
ふっと、理事長の顔が浮かぶ。
名前は、切田功一(こういち)。
年齢は確か…私の両親と同じ47歳。(今年で)
「学校ではいろいろと後が面倒くさそうだから、学校の教頭先生や他の先生はこの事を知らない」
「じゃあ、なんで私に教えてくれたの?」
「それは…」
「お待たせしました」
先生はなにかを言いようとしたけど、ウエイターの男性が注文した料理を持って来たので話が途切れた。
…先生、なにを言いようとしただろう?
「…では、ごゆっくり」
「食べよう」
「うん、いただきます♪」
私と先生は、他愛のない会話をしながらディナーを楽しんだ。