運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
絡み合う糸
【優姫】
翌日。
「…もう、朝か…」
と、部屋の時計を見る。
昨夜は全然寝れなかった。
ふっと自分の唇に触れた。
…ねぇ、先生。
どんな顔をしてあなたに逢えばいいの?
逢ってなにを話せばいいの?
逢いたくない。
けど、逢いたい。
どうすればいいんだろう?
私はベッドから起きて、学校の支度をして、朝食を食べずに重い気持ちでウチを出た。
教室。
「おはよ♪優姫」
「よう、優姫」
いつものように樹里と陸が声をかけてきた。
「おはよ…樹里、陸…」
私はそう言って、席に座った。
「優姫、どうしたの?」
「元気がないじゃん」
「うん、ちょっと寝不足で…」
…本当は違うけど…
―――ガラガラ。
そして、チャイムが鳴って、今…一番逢いづらい切田先生が教室に入って来た。
「みんな、おはよ。出席を取るぞ~」
先生は順番に名前を呼んでゆく。
「雨宮」
「はい…」
一瞬先生と目が合ったけど、すぐに逸らしてしまった。
…どうして、あんなキスをしといて普通でいられるの?
やっぱり、先生は『大人』で…
私は『子ども』なのがな…?
その日、私は先生を避けてしまった。