運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


それから数年後。


俺たちはそれぞれ結婚をした。

俺と陽子は、枢と悠を授かり幸せだった。

だけど、10年前。(現在から)


陽子がある病気で倒れ、数か月後に天国に旅立った。

息子2人と俺を残して…


―――ガサガサ。

俺は陽子の遺品を整理していると、一通の手紙が出てきた。

裏には陽子の名前が書いてある。

手紙を開けて読んで見ると―――



功一へ


あなたがこの手紙を読んでいるって事は、きっともう私はこの世にいないのね。

功一。私はあなたと出逢って結婚して、枢と悠を授かってあなたの『愛』を感じる事ができて、とっても幸せだった。

でもね…私、知ってるの。

あなたは未(いま)だに「優子のことを愛してる」って…

優子もね、本当は功一のことが好きだったんだよ。

私のために、優子は太一を選んだの。

私って…最低だよね…

ごめんなさい。

あと、優子は数年前から太一にDVを振るわれているの。

優子は「功一には言わないで、心配かけたくないから…」って…口止めされてたの。

優子も未だにあなたのこと好きよ。

だから、あの子を…私の生涯でたった1人の親友を助けて!!

功一、お願い…

今度はあなたが優子に『本当の幸せ』を教えてあげて。

私はいつまでも2人を見守っているから…

近い将来、また逢おうね♪


…愛してる。


切田陽子





「…陽子…ひくっ…」

俺は『真実』知ったと同時に陽子の『強い想い』に涙を抑えきれなかった。


…陽子。


俺も愛してる。


お前に対する気持ちは、ずっと変わらない。


だから、もう一度…優子を愛する事を許してほしい。

必ず、優子を幸せにしてみせるから…

俺は心の中でそう陽子に誓った。


< 18 / 122 >

この作品をシェア

pagetop