運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
家。
―――ガチャ。
玄関に入ると、ここにいるはずもない”ある人”の冷たい声が聞こえた。
「どこに行ってたんだ?優姫」
「父さん、どうして…」
…どうして、この人がここにいるの?
「答えろ!!優姫」
父さんは怒鳴り声を上げた。
「どこって…学校…」
私がそう言うと、すごい力で腕を掴まれてリビングへ連れ込まれる。
「痛っ…」
「嘘をつくな!!お前が『切田グループ財閥』に行ってるのはわかってる」
「…ずっと、私を監視してたの?」
「そうだ。『切田グループ財閥』の社長…”あいつ”の息子が優姫の前に現れてからずっとな…」
…酷い。
いくら自分の娘だからって…
監視なんて…
いつも私のことなんて、ほったらかしのくせに…
愛してないくせに…
「…お前も”あいつ”を選ぶのか!?」
…えっ?
―――バシン。
父さんが私に暴力を振るい始める。
「痛っ…」
「どうして、優子も優姫もあいつを…功一を選ぶ!?俺はなんで、なにもかもあいつに勝てないんだ!!」
「え…どういう事?」
「なんだ、お前…優子から聞いてないのか?優子は俺と優姫を捨てて、ずっと好きだった功一と再婚するんだ。なのに…お前も俺を捨てて功一の”息子”を選ぶのか!?」
「痛っ…父さん、やめて…」
「うるさい…っ!!」
これで全部わかってしまった。
父さんと母さんの『本当の離婚した理由』が…
そんな中私は、父さんのDVに耐えるしかなかった。
そして、そのまま意識を失った。