運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【枢】
優姫の家に着き、逸(はや)る気持ちを抑えて車を降りる。
優姫の家は俺の実家と同じ一軒家。
「おい、優姫!優姫!!俺だ!」
強くドアを激しくノックする。
―――ガチャ。
「鍵が開いてる…」
「優姫!どごだ!?」
「…先生…」
リビングに入ると、優姫の姿に脚が震えた。
全身にアザ。
「父さんが…私を…っ…ひく…っ」
「優姫…いい、言わなくていい。全部わかってるから…」
涙を流す優姫を優しく強く抱き締めた。
…俺はバカだ。
自分がグズグズしてたから…
結局、優姫を傷つけた。
本当に最低だ…
「あいつ…お父さんはどこに行った?」
「わかんない。…ねぇ、先生」
「ん?」
「理事長と私の母さんが再婚するって本当?」
「あいつがそう言ったのか?」
「うん…」
「そうか。…あいつが言った事は事実だ」
優姫の体がビックっと動く。
「優姫、ここを出よう。もうあいつの傍にはいないほうがいい。全部話すから…」
「…うん」
優姫は俺の腕の中で頷いた。