運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
「ねぇ、先生。さっきの話の続き…聞いていい?」
「ああ…」
「私の母さんと理事長は、もともと知り合いだったの?」
「…俺も悠も詳しい事は知らない。でも、幼なじみで…お互い好きだったらしい」
「…なんで、もっと早く言ってくれなかったの?」
「優姫」
「…っ、なりたくない…ひくっ…先生と…“義兄妹”になりたくない!!」
「…っ!!」
俺は涙を流す優姫を強く抱き寄せた。
「だから…言えなかった。俺も優姫と“義兄妹”になりたくなかったから。…いっそ、『本当の兄妹として産まれたらよかった』と思った」
俺はそこまで言うと、優姫を離してその場を立ち上がり上着のポットから『四葉のクローバーのしおり』の2枚取り出した。
「これ…お前のだろ?」
優姫にしおりを渡す。
「…ありがとう、無くしたかと思った。…でも、なんでしおりが2枚もあるの?」
「正確には、俺と優姫と悠の分がある。…お前が四葉のクローバーを見つけて俺たちにくれたんだろ?『これを持っていれば、今度逢った時にすぐわかるように』って…」
「…っ!!」
優姫は目を丸くして、口を手で覆った。