運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【枢】
実家。
―――ガチャ。
「ただいま~親父、優子さん。兄貴と優姫を連れて来たよ」
「ただいま…」
「お、お邪魔します…」
俺たち3人がリビングに入ると、親父たちが駆け寄って来た。
「優姫ちゃん!」
「優姫!」
優子さんは涙を浮かべながら、俺の隣にいる優姫を抱き締める。
「…っ、母さん」
「ひくっ…ごめんね。ごめんなさい、優姫…」
「優子、落ち着いて。お前のせいじゃない」
「功一…」
「…優姫ちゃん、こうやってちゃんと逢うのは10年ぶりかな?今回の事でいろいろ君を驚かしてしまったね。すまなかった」
親父が優姫に頭を下げる。
「理事長…」
「…まぁ、とりあえずにみんな座ろう」
悠が言う。
俺と優姫は親父と優子さんと向き合うように食卓の椅子に座り、悠はその隣の椅子に座った。
それぞれ紅茶とコーヒーを飲む。
そして、再び親父が口を開いた。
「…優姫ちゃん、その腕のアザは…」
「……」
「雨宮太一がやったものだ」
優姫が言う前に、俺が代わりに言う。