運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
「やっぱり、そうか…」
「優姫、ごめんなさい…」
「…っ、謝って済む問題じゃない!!」
「……」
「枢」
「枢君」
「兄貴…」
…まるで他人事だ。
親父と優子さんは、今回の事でどれぐらい優姫が…俺たちが苦しんだかわかってない。
いや、違う。
わかってほしくない…
わかるはずがない。
「…親父たちのせいで、俺たちは振り回された。どうせこうなるんだったら、最初からお互い別の相手と結婚したんだ!?」
「枢…」
優姫が俺の手を握る。
「最初、再婚の話を聞いた時…ショックだった。10年前だったら『義妹ができた』って喜んだかもしでない」
「枢、お前…」
「枢君、まさか…っ!!」
「「……」」
親父と優子さんはすべて察したように俺たちを見る。
「…けど、遅いんだよ!!10年前から気になってた子が成長して目の前に現れた。『教師』と『生徒』して接する事も苦労してたのに…今さら、『お前たちは今日から義兄妹だ』って言われても受け入られるわけがないだろ!もう…きっと10年前から、俺は優姫が好きだった。…別に親父と優子さんの再婚を祝福してないわけじゃない。…けど、俺と優姫は"義兄妹"になれない」
俺はそうはっきり言った。
「そうか…」
「枢君と優姫は10前に出逢ってたのね。どこで逢ったの?」
「…それは俺から話す。俺たちは、あの真夏の日…別荘の近くで出逢ったんだ」
と、悠が親父たちに話し始めた。