運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


【優姫】


悠が母さんたちに私たちの『出逢い』を話してくれた。

話し終わると、母さんたちは驚くと同時になんだか嬉しそうに笑った。

「…そう、そうだったね…」

「ああ、きっと陽子が…俺たちだけじゃなく、子どもたちも引き合わせたんだな」

「優姫、枢君、悠君。今度は私たちの話を聞いてくれる?」

「うん」

「「はい」」

私たちは頷いた。

そして、母さんと理事長が語り始めた。


…父さん、理事長、母さん、枢と悠のお母さんは幼なじみだった。

母さんはもともと理事長が好きだったが、親友だった陽子さんのために諦めた。

父さんと母さんは、とても愛し合っていた。

それは間違いない。

でも、父さんは気づいていた。

母さんが「自分より功一を愛している」事を…

DVが始まったのは、私が保育園の時…

この事を知っていたのは、陽子さんだけだった。

理事長は、その事を陽子さんが亡くなる前に書いた手紙で知った。

それから、父さんと理事長は仲が悪くなってしまった。

父さんは10年かけて、やっと離婚に同意した。

離婚の際、条件として『私の親権を渡す事』。

もちろん、母さんは嫌だったが脅(おど)されてしまい応じるしかなかった。


これが『離婚の真実』…


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