運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【優姫】
14:30
枢と私は、ウチに帰える前にスーパーに寄って夕食と私の新しい生活に必要な物を買った。
「優姫、ちょっと付き合ってほしい所があるんだけど…」
「えっ、どこに?」
枢はそう言って、『ある所』に私を連れて行った。
墓地。
「枢、ここは…」
「お袋がここで眠っている」
そのお墓には『切田家』と書いてある。
枢がお墓に花を置いた。
「お袋、やっと優姫をここに連れて来ることができたよ」
「こんにちは、お義母さん。優姫です。母さんからいろいろと聞きました。母さんは今、あなたとお義父さんのおかげで、とても幸せそうです。あと、私も枢と出逢って再会して、今こうして私の傍にいてくれます。だから、私もとても幸です♪」
「俺も今、すごく幸せだよ。10年前の『あの日』に優姫と出逢わせてくれて、ありがどう…」
そして、枢と私はお墓に手を合わせた。
(「枢とみんなのことを宜しくね♪」)
と、そこを去ろうとした時…そう女性の声が聞こえた気がした。
「優姫、行くぞ」
「うん」
枢と私は手を繋いて車に向かった。
マンション。
「さぁ、入って」
「…お、お邪魔します…」
私はリビングに入る。
「優姫、『お邪魔します』じゃなくて『ただいま』だろ?今日から、ここが優姫の『ウチ』なんだから…」
「あっ、そっか」
…うわ~、なんか恥ずかしい!!
急に枢に抱き締められた。
「ちょ…どうしたの?枢」
「…いや、『この数日、いろいろあったな~』と思って…」
「うん、そうだね」
「じゃあ、改めて…お帰り、優姫」
「ただいま、枢♪」
私たちは、抱き合ったままキスをした。