運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~



「まぁ…俺の話はともかく先にお前のことだ。あれから、お母さんと親父さんとは話したのか?」

私は俯(うつむ)いて、首を横に振る。

「…先生も知ってるんでしょ?父さんは1年の半分以上が海外で、話なんてできるわけがないよ。それに私は1人で大丈夫だから…」

「はぁ~…」

私がそう言うと、ため息をついて先生は椅子から立ち上がり私のほうに来て優しく抱き締めてくれた。

「先生…?」

「なに~強がってんの?お前は…本当は1人で寂しいんだろ?」


…どうして?


先生、あなたは…


私の『本当の気持ち』がわかったの?


どうして、先生には嘘がつけないの?


「…ひくっ…父さんも母さんも…どうして、私になにも相談をしてくれなかったの!?…ひくっ…どうして、父さんも母さんも…私の『気持ち』を考えてくれなかったの!?…母さんはなんで私を置いてウチを出たの!?ねぇ、先生…教えてよ。教えてよ!…ううっっ…」

先生の胸を何度も叩きシャツを強く掴んだ。

「雨宮…泣きたい時は泣けばいい。ここには俺とお前しかいないから…」

先生は私の頭を優しく撫(な)でた。

私のセミロングヘア系でブラウン・ベージュ系の髪と、先生のミディアムヘア系でブラウン・ベージュ系の髪が夕日でオレンジ色に変わる。

そんな中、私は先生の腕の中で泣いた。

先生は、なにも言わずにずっと優しく抱き締めてくれていた。



これが―――先生と私の『運命の始まり』だった。



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