運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
参観日に来てくれたのは…?
【優姫】
6月の後半、学校。
「…というわけで、土曜日に参観日があるから宜しくな」
「「「え~~~」」」
と、クラスのみんなはダルそうな声を出した。
「それとこの時間は俺の数学だから。…以上、HR終わり。お前ら今日も気をつけて帰れよ」
「「「は~~~い」」」
HRが終わると枢は教室を出て行った。
「はぁ~~…どうせ親も来ないもいるのに、どうして『参観日』ってあるだろう?」
「だよな…」
樹里と陸は同時にため息をついた。
「樹里と陸のおばさんたちは来ないの?」
「どうせ、仕事があるし…」
「親には来てほしくないし…」
「まぁ、そうかもね」
3人で少し苦笑いをしながら、教室を出た。
そして、土曜日。
「うわぁ~~、俺たちの以外の親は結構来てるな」
「今日希望者だけだけど、進路相談をやるみたいだし…」
陸と樹里が小声で言う。
私は結局、今日の事は母さんには伝えてない。
前とは違う生活を送っているけど、今は前よりも生きいきと仕事をしているみたい。
それに、枢と私も家族に学校での私たちを見れるのは…なんか恥ずかしい。
―――ガラガラ。
ドアが開いて枢が教室に入って来た。
「「「キャ~~~、切田先生。やっぱり、カッコイイわ~~~!!」」」
後ろから数人の親たちの小声が聞こえる。
…うわぁ~~枢、みんなのお母さんからも人気なんだ。
まぁ、気持ちはわかるけどね♪
「…授業を始めるぞ。教科書は…」
ページを開こうとした時―――
―――ガラガラ。
再びドアが開いて、今会社で仕事しているはずの悠が教室に入って来た。