運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
想いの限界を超えた夜
【陸】
数日後。
俺は優姫と切先が"義兄妹"だと、知ってしまった日から…つい2人を気にしてしまう。
「じゃあ、この問題を…雨宮。前で解いてみろ」
「えっ、私!?」
「ん、間違ってもいから…」
切先はどこか優しげにそう言った。
「…っ、はい」
優姫は席を立ち前に出て、黒板に式を書き始めた。
2人はすぐにくっつきそうな距離で立っている。
―――ギュン。
まるで、なにかに締め付けられている気持ちになった。
…なにを気にしてるんだよ。俺…。
優姫と切先は、”ただの儀兄妹”のはずだ。
それ以下でも、それ以上ない。
そもそも2人は、『先生』と『生徒』なんだから…
だから、ありえない…ありえるはずがない。
「先生、終わりました」
俺が我に返ると、優姫の解いた問題を切先がチェックしていた。
「ん、正解」
「本当に!?あっ…」
思わず大きな声を出してしまったのか、優姫は周りを見渡して顔を赤くした。
「プッ、席に戻っていいぞ、雨宮」
「はい」
と、席に戻って来た。