運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【優姫】
昼休み
私と樹里と陸は、いつもように校庭で弁当を食べる。
「はぁ~~…中間テストか…自信ねぇ…」
「本当にね。補修と追試で夏休みを潰したくないし…」
「じゃあ、3人で勉強会する?」
と、何気なく言ってしまった。
「うんうん、する♪する♪」
…樹里さん、なんで勉強するのに「♪」が付いてるんですか!?
「陸もそれでいい?」
「ああ、優姫のウチでやるならいいよ」
「えっ…」
私は一瞬、陸が言ったことがわからなかった。
「私も優姫の家がいい。そろそろ、どんな所か見てみたいしね♪」
「でも…」
「言い出しっぺは、優姫だろ?」
「確かにそうだけど…」
私が自分で言いだした手前、それ以上なにも言えない。
「うん、わかったよ…」
と、ため息をつきなら頷いた、
マンション。
【切田枢:緊急事態!!
中間テストの勉強会をするため、陸と樹里がウチにいます。
大丈夫だとは思うけど、帰って来る前に電話してね!】
学校を出る前に、枢にそうメールを打った。
「ここが…!!」
「…優姫の新しい家!?」
「うん、まぁね…」
陸と樹里は、ウチのマンションを見て言葉を失う。
―――ガチャ。
2人を連れ、玄関を開けて中に入った。
「「お邪魔します~~~」」
「適当に座って…私、部屋に鞄を置いて来るから」
「うん」
「おう」
私は部屋に行き、鞄を置いて3人分のジュース淹れた。
「…そうえば、おばさんはいつ帰って来るんの?」
「ええっと…実は母さんとは一緒に住んでないの」
私はここまできて、どう嘘をついていいかわからなかった。
「じゃあ、1人暮らしなのか?」
「うんうん、違う。…ここは1番上の”お義兄ちゃん”の家」
「嘘…だろ…」
なぜか、突然陸の顔色が変わった。
「陸、あんたどうしたのよ?突然顔色を変えちゃって…」
「陸?」
「いや、なんでもない…」
「そう。じゃあ…とっとと勉強してゆっくりとしよう」
「うん、そうだよね」
そう言って、私たちは勉強を始めた。