運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
夜、20:00
「枢…遅いな…」
私は枢の帰りを待ちながら、ソファー寛ぐ。
「…昼間の事、ちゃんと謝らなちゃ…」
ふっと、あの事を思い出す。
陸に告白されて、すぐにその事は枢に伝えた。
枢は「俺は、お前を信じてる」と言ってくれた。
…なのに、私…
なにをやっているだろう?
『答え』は最初から決まってるのに…。
私はなぜか、すごく不安になった。
枢にただ、抱き締めて欲しかった。
「…おい、優姫」
ふっと我に返ると、ネクタイを緩めている枢がいた。
「…枢、お帰り」
「…悪かったな、会社の会議が長くなって。…って、どうした?優姫」
「えっ…」
「お前、泣いてる…」
頬を触ると私は確かに泣いていた。
「優姫、なにかあったか?」
「うんうん…わかんない。ただ、枢に抱き締めて欲しかった」
そう言うと、枢は優しく私を抱き締める。
「優姫、こういう時の『心の行き場所』を教えてやる」
「…『心の行き場所』?」
「…今夜、優姫を抱きたい」
―――ドクン。
枢は静かにそう言って、私はその熱い瞳に胸が熱くなった。