運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【優姫】
いつものように、通学路の手前まで一緒に行く。
「ここでいいよ。枢」
「ああ…、優姫」
「なに…、んんっ…ふっ…」
車から降りようとすると、枢が私の手を引っ張ってちょっと強引に抱き寄せてキスをする。
キスをしているだけなのに…もう身体が熱い。
…朝からこんな…
舌が絡み合ってキスに気を取られていると、スカートの中に枢の手が入って来た。
「…あっ、それ以上は…ダメ…っ」
「…じゃあ、続きは夜な♪」
…えっ、今夜も!?
枢は微笑んで、今度は軽くキスをした。
その後、車から降りて歩き出すと横から誰かの声がした。
「優姫!おはよ♪」
「うわぁ、ビックリした~~~!!おはよ、樹里」
「なになに?切先と『お忍びラブラブ登校』でもしてた?」
「なっ、『お忍びラブラブ登校』って、別に私たちはそういう関係じゃ…」
「ふ~ん、じゃあ…この首筋にあるキスマークはなんでかな♪」
「…えっ、嘘!?着替えた時にちゃんと確認したのに…」
…いつ、キスマークを付けたのよ!
あっ、まさか…あの時!?
今朝、キッチンで枢に首筋にキスされた事を思い出して顔が赤くなる。
「ハハハァ、わかりやすい。優姫」
「樹里、私…」
「隠さなくていいよ。切先から『全部』聞いたから。…優姫が辛い目にあってる時に、私…全然気づかなかった。ごめんね…優姫。…ひくっ…」
樹里は私を抱き締めて泣いた。
きっと、枢は樹里が私の『親友』で信頼できると思って私たちのことを話してくれたんだろう。
私が一番頼れる親友に…
「…私こそ黙ってて、ごめんね。…ひくっ…」
私たちはしばらく、お互いにそのまま泣いた。