運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


テープはズラッと、いろいろな料理が並べられてある。

好きな物を皿に取って、食べていると誰が声をかけられた。

「優姫ちゃん?」

「…おじさん!?」

振り向くと、陸のお父さんだった。

陸のお父さんは、ウチが提携を結んでるホテルの社長で、私はこの事を数日前に知った。

「…さっきは驚いたよ。優姫ちゃんと切田社長が婚約したなんて…」

「おじさん、この事は…」

「もちろん、陸には言わないよ。第一あの切田先生が『切田グループ』の御曹司って事は内緒だからね」

おじさんがそう微笑んで、ホッとしていると再び後ろから声がした。

「優姫。あっ、仁田さん」

「枢」

「切田社長、いつもお世話になっています」

「こちらこそ、いつもお世話になっています」

2人は軽く頭を下げながら挨拶をする。

「…改めて、社長。優姫ちゃんとのご婚約おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「…ところで、先生。学校での息子はどうですか?」

おじさんは呼び方を『先生』に切り替えて、陸のことを聞く。

「特に変わった様子はないと思いますが…なぁ、優姫」

「うん…」

私は頷きながらも、未だに陸の告白の返事が出来ていない事をふっと思い出して胸が締め付けられた。

「そうですか。…じゃあ、私は会長に挨拶して来ます」

「はい」

「優姫ちゃんもまたね♪」

「はい」

おじさんと別れた後、枢と一緒に挨拶周りをした。


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