運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
☆2章☆
夏の勉強合宿で…
【優姫】
8月の始め。
ウチの学校では、2年の夏に『勉強合宿』がある。
単位も大きく関わってくるらしく、みんなほぼ強制参加って感じがする。
(ああ、面倒くさいよね…。:作者の声)
「…2泊3日で夏休みに勉強会なんて、本当に面倒くさいぜ」
「まぁ、いいじゃん。自由時間は海で泳げるし」
「この辺に来るのは久しぶりな~」
「そういえば、切先家(ち)の別荘でこの辺なんだっけ?」
「うん、ここから歩いて15分くらいかな」
「近いじゃん。…じゃあ、夜は切先と『密会』ができるね♪」
「樹里~~」
…『密会』なんて、できるわけがないじゃん!?
枢はそんな事は言ってなかったし…
陸には聞こえないように、樹里と私は小声で話した。
ちなみに、雨宮家の別荘は父さんとの離婚際に母さんへの慰謝料として貰ったらしい。
「じゃあ、それぞれ荷物を部屋に置いたら30分に自習室集合」
枢がそう言うとそれぞれ解散し、自分たち部屋に向かった。
私と樹里と2人部屋。
「うわ~~、海が綺麗♪」
「うん。ちょっと歩いたら、海に着くもんね」
窓に広がっている海を少し眺めた後、私たちは自習室に向かった。
休憩を挟みながら、数時間授業が続いた。
そして、14:00
やっと、自由時間になりみんなで海に来ていた。
「キャ~切田先生、カッコイイ」
「先生も一緒に泳ごうよ~~」
女子たちに囲まれて、全然枢に近づく事ができない。
「相変わらず、モテモテだね。切先」
「そうだね…」
…普段は家でずっと一緒にいるから、わかんないけど『先生』と『生徒』って遠いよね…
「…『それ以上、私の婚約者に近づかないで!!』って顔に書いてあるよ。優姫」
「えっ、私…そんな顔してた!?」
「うん、思いっきりあの子たちを睨んでた♪」
樹里がニヤリと笑う。
…だって…
「…ここ3日くらい会社の仕事が忙しかったみたいで、ろくに2人の時間がなかったの」
どんなに会社が忙しくても、メールや電話のやり取りはしてたから我慢できた。
「よし!」
「樹里?」
「ほら、私たちも切先の所に行こ!」
「あっ、うん!」
私は樹里の手を取り立ち上がって、一緒に枢の所に向かった。