運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
「中学の時…出逢ってお前の笑顔に惚れたんだ。…あの頃は、今よりもガキで優姫に告白する勇気もなくてただの『親友』として傍にいるだけで満足してた」
「……」
「優姫が俺と一緒にいるのは、『実はお前も俺のことが好き』って勝手に期待をしてた。でも、最近お前を見てて思うんだ」
「…なにを?」
「優姫、お前…本当は切先のことが好きなんだろ?」
「陸、私…」
最後まで言う前に、抱き締められた。
「なぁ、アイツじゃなくて俺にしとけよ。…優姫」
切なそうな陸の声。
想いが伝わってきて涙が溢れた。
「…ごめん、陸。私は枢が好き」
私はその言葉で精一杯だった。
「…っ、どうしてなんだよ!だ、だって…血が繋がってなくても、お前とアイツは”義兄妹”だろ!」
「…っ、痛いよ、陸」
「俺が忘れさせてやるよ」
そう言って、陸は強引に私の唇を塞いだ。
「や、め…んんっっ…」
枢と違う感触の唇。
力が強くて、抵抗ができない。
大事な親友の陸が今は、凄く怖い。
…助けて!枢。
「そこまでで、やめとけ。仁田」
後ろから声がして、私は声の主の胸に引き込まれた。
「枢、どうして…」
「職員会議が終わって、優姫メールをしようと思ったら一ノ瀬から電話がかかってきて…遅くなってごめんな」
枢は私の体を抱き締めて、そのまま陸を睨む。
「仁田、優姫にキスをしたんだな?」
「だ、だったら…なんだよ」
―――バッシン。
枢は私から離れて、陸に殴りかかった。
「…今さら、隠してもしょうがないから教えてやるよ。優姫は俺の女だ!」
「…やっぱり、そうなのかよ」
「だから…これ以上優姫を苦締めるな。ほら、行くぞ。優姫」
「…うん、ごめんね。陸…」
私は涙を浮かべながら、謝る事しかできなかった。