運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
今から10年前。(今年で)
真夏の事だった。
俺は16歳。
悠は14歳。
夏休みにウチの別荘に来ていた。
そこで出逢った迷子の女の子が雨宮優姫だった。
当時6歳。
「俺は悠」
「俺は枢。君は?」
「優姫…」
そう言って、優姫は俺の手を取ったんだ。
それから、俺たちは毎日遊んだ。
「枢、悠」
「ん、なに?優姫ちゃん」
「どうしたの?優姫」
「これ、あげる♪」
「「四つ葉のクローバー?」」
「うん。これを持っていれば、今度逢った時にすぐわかるでしょ?」
「そうだね♪」
「ありがとう♪」
この時の優姫の笑顔は忘れる事はできなかった。
それから、数年後。
俺は大学を卒業して、この会社を継いだ。
そして、副職に教師になった。
実は親父も社長をしながら、『教師』をしていた。
今は『桐田高等学園』の理事長が本職だ。
そして、今から1年前。
俺は奇跡的に優姫に再会した。
すぐに”あの子"が彼女だとわかった。
『あの時』と変わらない笑顔だったから…
でも、優姫は俺を覚えていなかった。