運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
罪な夜
【枢】
あれから、俺たちはなにも言わずに歩いた。
ウチの別荘に着き、鍵を開ける。
「えっ、枢。どうしてここに…」
「俺、ホテルの部屋は取ってない。最初からここに泊まるつもりだったんだ。ほら、今日は疲れただろ?明日もあるし…ささと寝―――」
俺の言葉を最後まで言わせないかのように、優姫が後ろから抱き着いて来た。
「…もしかして、誘ってるのか?」
いくらなんでも、学校の行事中に『生徒』の優姫を抱くわけにはいかないと頭ではわかっている。
けど…
「…今『心の居場所』がわかんないよ。私、陸と…んんっ…」
俺はその言葉を聞いた瞬間、耐えていたなにかが切れたて優姫の唇を貪(むさぼ)るように塞いだ。
「…それ以上、あいつを呼ぶな。せっかく我慢してたのに理性が飛ぶ」
「…いいよ、相手が枢なら…」
「フン、『教師』の俺の理性を飛ばすなんて…お前は『悪い生徒』だ。…優姫」
そう言って、俺たちは苦笑いをしてキスを深めた。