運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
―――ガチャ。
「あっ、来た来た!切先」
「チッ、本当に『社長』なのかよ」
「『社長』で悪かったな、仁田。…って、優姫は寝てるじゃん」
「ん、陸君に全部話せて安心たみたいだよ」
「そうか…」
俺は寝ている優姫の隣に座って、優しく頭を撫でる。
「優姫は…ほぼ毎晩の『アレ』のせいで、寝不足なんだよね~~~♪」
一ノ瀬は俺を見てニヤリと笑う。
―――ギック。
「どうして、お前が知ってるんだよ…」
「朝、ノロケを聞いた♪」
「フフ、兄貴はしょうがないね~~~」
「なんだよ?『アレ』って…」
「バカね!陸。2人は『男と女の関係』って事」
一ノ瀬の言葉にようやく意味がわかったようで、仁田は顔を真っ赤にしてため息をついた。
「俺が入り込む隙間はないって事か…」
「…それでも優姫と『友達』でいてくれるんだろ?」
「まぁね、優姫も切先のことも好きだし」
「…ありがとう、仁田」
「別にお礼は言わなくていい」
…でも、ありがとな。
「ん~~」
ちょうど、話を終えると優姫が目を覚ました。
「起きたか?」
「あれ、枢?私、試食した後…寝ちゃってた?」
「ん、少しね」
悠が微笑んで言う。
「…ったく、今日から新学期が始まったんだから…少しはセーブしろよな。切先」
「そうそう♪」
と、仁田と一ノ瀬に言われて苦笑いする。
「…っ、どうして陸が知ってるの!?」
「お前、わかりやすいだよ」
「そうだな」
俺と仁田は意見が一致し、優姫以外の全員が笑った。