運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
廊下。
「…しかし、優姫ちゃんが”あの子”だったなんてねぇ~」
悠は四つ葉のクローバーのしおりをポケットから取り出した。
あの夏に雨宮…いや、優姫から貰った四つ葉のクローバー。
俺たちの『大切な物』の一つだ。
「兄貴、優姫ちゃんにまだ親父と優子(ゆうこ)さんの『再婚』の事は言ってないの?」
「言ってない。優姫はまだ2人の『離婚』にショックを受けているみたいだからな」
「そっか…優子さんと雨宮太一(たいち)が『離婚した理由』を知らないからね。けど、兄貴が優姫ちゃんに話さない理由ってそれだけ?」
俺は立ち止まり悠を少し睨んだ。
自分の気持ちを見透かされていたから…
…俺は優姫を…
「……」
「うわぁ~顔が怖え…」
俺たちはそのまま、会議室に向かった。