運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~


廊下。


「…しかし、優姫ちゃんが”あの子”だったなんてねぇ~」

悠は四つ葉のクローバーのしおりをポケットから取り出した。

あの夏に雨宮…いや、優姫から貰った四つ葉のクローバー。

俺たちの『大切な物』の一つだ。

「兄貴、優姫ちゃんにまだ親父と優子(ゆうこ)さんの『再婚』の事は言ってないの?」

「言ってない。優姫はまだ2人の『離婚』にショックを受けているみたいだからな」

「そっか…優子さんと雨宮太一(たいち)が『離婚した理由』を知らないからね。けど、兄貴が優姫ちゃんに話さない理由ってそれだけ?」

俺は立ち止まり悠を少し睨んだ。

自分の気持ちを見透かされていたから…


…俺は優姫を…


「……」

「うわぁ~顔が怖え…」

俺たちはそのまま、会議室に向かった。



< 8 / 122 >

この作品をシェア

pagetop