運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
国語準備室に入ると、幸野先生は私と向き合い真剣な顔して口を開いた。
「単刀直入に聞くけど、あなた枢のこと好きでしょ?」
「…どうして、そう思うですか?」
「あなたの枢への態度を見てればわかるわ」
「違います!」、
「隠さなでいいのよ、ねぇ、枢の"彼女"が誰のか雨宮さんは知ってるわよね?私が枢と”彼女”を別れさせてあげる♪…私が知ってる枢のセフレたちは、私と枢の身体の相性の良さの話を知ると身を引いてくれたから大丈夫よ」
「…っ!」
セフレの話は、昨日幸野先生の話と一緒に枢が話してくれた。
枢が本気で幸野先生と「付き合う」と決めた時に縁を切ったらしい。
…けど、きっと違うんだ。
この人が裏で彼女たちを脅して、枢から遠ざけて本当の”彼女”になったんだ。
この人は、枢への『愛』に執着し過ぎている。
恐い…。
―――ギュウ。
服の上から、普段はネックレスにしている婚約指輪を握り締める。
「…あなたが悪いんでしょ?」
私は震える声で重い口を開き、幸野先生を睨んだ。
「…え?」
「そんなに枢が好きなら、なんで浮気して彼を傷つけたの?…なのに、今さら枢と”彼女”邪魔をしないで!」
…枢と私の邪魔をしないで!
「あ、間宮さん…?」
「あっ、すみません!これで失礼します」
ふっと、我に返り私は国語準備室を飛び出した。