運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【陸】
あれから3週間。
9月が終わり近づいても、俺と瑠佳のはっきりしない関係は続いていた。
…お互いに惹かれ合ってるのは確かなのに…
「ねぇ、幸野先生。俺と付き合ってよ~」
「嫌よ。私…”子ども”には手を出さないの」
瑠佳と男子の会話に、つい反応してしまう。
「相変わらずモテモテです事。あの女…」
「まだ、樹里は瑠佳先生のことが気に入らないの?」
優姫がそう言うと、樹里は睨みつける勢いで言った。
「なんであんな事をされたのに、優姫は先生と仲良くなってんのよ!?」
「うん。…瑠佳先生とちゃんと話せたからかな?先生の産まれの事とか、父親に愛してもらえなかった『辛さ』は私にもわかるから…」
「それって、同情じゃないの?…『男遊び』はしてるんでしょ?」
「それは…」
―――ドクン。
樹里の言葉に腹が立つ。
「…させねぇよ」
「え?」
「もう、あいつにはそんな事させねぇよ!」
周りに人も…瑠佳も数メートル先にいるのに、俺は思わず廊下で叫んでしまった。
…もう、瑠佳を『軽い女』とは思われたくない。
『男遊び』なんてさせない。
瑠佳、もう俺はそう思えるくらいにお前を…
「…陸?」
「…なに、そんなに怒ってるのよ?」
「悪りぃ、俺…帰るわ。切先には言っといてくれ」
そう言って、俺はイライラしながらウチに帰った。