僕のとなりで。
帰り道―。

『ありがとう。』

サヤカが僕に笑いかける。

『俺がだよ。サヤカだったから変われたと思うし、サヤカだから一緒に生きたいと思ったんだ。…ありがとう。』

恥ずかしくて、サヤカを見れない。

『…。』

静かになったサヤカが気になり、サヤカを見ると、泣き出していた。

『なんで泣く?てか、最近泣きすぎだよ(笑)』

そう言って、サヤカの頭をなでた。

『泣かせすぎなんだよ…(笑)。』

『そんなことないよ。』

『いや、リョウスケが悪い(笑)。』



よく見るバカップルだった(…死語?)


でもそれは、以前の僕には考えられない光景で、今までの彼女に手をつないで歩くことすらしてあげなかったのに、サヤカに対しては自然に出来ている。

この変化は、誰よりも僕自身が感じていたことだった。



変わることを望んでなかったし、変わりたくないとまで思ってたけど、結構、悪くない。


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