僕のとなりで。
『おいユウ!前にも先輩が…て言ってた話でヤバイ目にあったじゃん。今回だって、危ないんじゃないの?就職するなら、俺が心当たりあるから紹介してやるけど。』

カズヤは、ユウが信じやすく騙されやすいのを1番良く知ってた。

高校の時もクラブに呼び出されて、ヤバイ薬を売り込む仕事を3人でやらされたことがある。
ユウが先輩から取ってきた仕事だった。
ユウの立場もあるから、1回は付き合ったけど、カズヤが先輩と上手く話をつけてくれたおかげで、それ以降はやらずにすんだ。

『なんだよ~、別にヤバイ話ぢゃないって。営業だけどノルマとか無いらしいし、ちゃんと広告とかも出してるような会社みたいだから、大丈夫っしょ~?』

その広告を見て言ってるのか、すごく気になる…。

『せっかくだけど、俺はやりたい仕事じゃないとムリだよ。自分で見て、自分で決める。ごめん。』

ヤバそうっていうのもあったけど、実際、昔から自分で決めないと動こうと思えないし、続かない。

『リョウスケはカタイよなぁ~。繋ぎってカンジで軽くやってみればいいんだよ~。』

ユウは1人ではやりたくないみたいだった。

『ヤバイ仕事かもしれないのに、仲間を巻き込むなよ。ユウもやめとけ。』

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