僕のとなりで。
『俺はやるよぉ！せっかく知り合いのいる所で働かしてもらえんのに断るのもったいないし。カズヤは心配しすぎなんだよ！たまには俺を信じなさい！』

ユウはカズヤの言うことは比較的聞いていたのに、今回は何か様子が違うっぽい。

カズヤは、５人の中で１番最初に就職を決めた。

僕達の中で“カズヤは別”というのが昔からあって、就職すると聞いた時も別に驚かなかった。

女２人は専門学校に通っている。
今年卒業だから、チトセは就活してるって話を前に聞いたことがある。

ヒトミは…何も聞いてない。けど、なんだかんだ言いながら、しっかり自分のことを考えられるから、多分ちゃんとしたビジョンは見えてるんだと思う。

そんなことを思いながら、カズヤとユウのやり取りを横目にヒトミを見ると、顔が真っ青だった。

『おい、顔色悪くね？具合い悪い？』

僕がヒトミに声を掛けると、カズヤが近付いてくる。

『大丈夫？車で休んだら？一緒行こっか。』

やたら優しい気がした。

カズヤの問い掛けに静かに頷くヒトミ。

なんか、急に女っぽくなった気がした。

『車行く前に、みんなに話しておきたい。』

ヒトミの言葉を聞いて、僕達の方を向くカズヤ。

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