僕のとなりで。
僕は、つい本音を言ってしまった。

カズヤは皆に頼られて、信頼されて、実際それに答える。僕も、カズヤに頼るし、甘えてばかりだった。でも、そういうのがイヤでもあったんだ。

『俺は、確かにフラフラしてるし、カズヤみたいに、すぐ答えを出してやったり、動いてやることは出来ないけど、少しでも力になりたいんだよ。何も知らないで何もしないで、ただ結果だけ聞かされて。俺は、そんな薄いつながりの存在なのかって、マジでショックだし、自分の力の無さに本気で落ちる。ちっちゃい俺は、助けたいって思っても何もしちゃダメなのかな。』

ユウが大きく頷いて答える。

『リョウスケって、そういう風に思ってたんだね。てか、なんで？リョウスケに、みんな頼りまくってんじゃん。』

ユウが言ってる意味が分からない。

『リョウスケって、誰かが何かを言う時に、まず最後まで黙って聞いてくれんじゃん。それって、スゲェありがたいんだけど。人間って、聞いて欲しい時と答えが欲しい時があって、それをリョウスケって聞き分けられんだよね。答えるタイミングが素晴らしくイイんだよ（笑）』

僕は、ユウの方がツライのに逆に励まされてしまっていた…。
< 28 / 110 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop