僕のとなりで。
5人が集まると、くだらない話でも大騒ぎで、酒が入ると更にうるさかった。

海へ向かう車の中では、すでに出来上がった4人と運転手。

『ねぇ、カズヤも飲んだらぁ~?』

無責任に運転手に酒をすすめるヒトミ。

ヒトミは、見た目はカワイイのに性格が男前で、僕達的には男友達といる感覚だった。
そんな性格からか、高校入学から今まで、彼氏が出来たという話を聞かない。
言わないだけかもしれないけど…。

『やめなよ~。カズヤは運転手なんだからさぁ。でも、少しなら大丈夫かもね(笑)』

止めてるのか、すすめてるのか、よく分からない優柔不断なチトセ。

正直、チトセもカワイイ。しかも天然で、男に人気がある。そのせいで、告られれば即付き合い…別れる。決してカルイわけじゃなく、本当に好きになるかもしれないから付き合うらしけど、周りからは遊んでるように見えてしまう。

『てか、助手席に座ってんのに寝てるバカを、下ろしていいかな?』

運転手のカズヤは、5人の中で1番大人で、まとめ役…ではないけど、他の4人が道を踏み外しそうになるまで静かに見守り、救いの一言をボソッと言って助けてくれる、カッコイイ奴。
口数が少ないから彼女は出来にくいらしい…。
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