僕のとなりで。
アサミはユウの目の前に立つと、ゆっくり話し出す。

『本当なの?急に言われても、全然理解できない。あたしもエイズなの?どうしよぉ…。ねぇ、どうしたらいいの?たった1回だよ?』

そう言いながら泣き出した。

いっぱいいっぱいなのが伝わって来る。

『ごめんね。本当にごめん。俺、どうすればいいか…。でも、絶対に責任とるから。本当…ごめん。』

謝ることしか出来ないユウ。

『アサミ。』

サヤカだ。

『アサミ、とにかく検査受けようね。ユウとアサミが、そういうことになってから2ヵ月経ってる?』

アサミは声が出ないようだった。

頷くだけで、何も答えない。

『2ヵ月経ってないと、正確な検査にならないらしいの。でも、2ヵ月経ってるなら、ハッキリするよ。私は、医者じゃないから大丈夫って言ってあげられないけど、待ってるから。大丈夫だって信じてるから。』

サヤカの穏やかな口調に、アサミが更に泣き出す。

『検査待ちの方ですか?』

係の人が呼びに来た。

2人は静かに立ち上がり、肩を寄せ合い検査室へ向かった。

僕は、不安で潰れそうだった。

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