僕のとなりで。
ユウと僕、アサミとサヤカ、それぞれが車に乗ろうとした時、サヤカが呼び止める。

『ユウくん!アサミに送ってもらって。アサミ、ユウくん送ってくれる?』

何を言い出すのかと思った。

今、この気まずい状況で2人を一緒に帰すなんて、かなり酷な話だ。

『え?サヤカ一緒に帰らないの?』

アサミの当然の問い掛けにサヤカが答える。

『うん、あたし、リョウスケくんとバイト先に行かなきゃいけないんだ。調度いいから乗せてってもらおうかなって。』

もちろん、バイト先にいく予定なんてなかった。

『そうなんだ…。別にいいけど。』

アサミが渋々OKを出す。

『じゃあ、ユウくん、こっちに乗って!』

サヤカがユウを呼ぶ。

ユウも不安げな表情で車に乗った。

2人を見送り、サヤカが車に乗り込んで来た。

『てか、バイト先なんて行かなくね?』

わざとらしく話をふってみた。

『気をきかせたんじゃん!和解するなら早い方がいいし、お互いが様子伺ううちに、いつの間にかレンラク取らなくなるのって凄くイヤ。だから、ちょっとムチャブリしてみた(笑)』

笑い事じゃない気もしながら、なんとなく、つられて笑ってた…。
< 37 / 110 >

この作品をシェア

pagetop