僕のとなりで。
もともと人を信じることが苦手で、誰かが何かを言っても、表面でしか会話が出来ないのを、4人も知っている。でも、一緒にいてくれた。

ハタチになった今も、兄貴の仕送りで生活してフラフラしてる、ダメな人間が、リョウスケだ。


『あ!見えてきた!』

チトセが海を指差す。

『結構、車あるねぇ~、まだ年越しすらしてないのに。止められるかなぁ?』

ヒトミが身を乗り出して、運転席のカズヤに話掛ける。実はこの2人、付き合ってんじゃないかなって、最近思う。

『大丈夫だよ。穴場知ってるから。』

本当に色んなこと知ってるなぁ。てか、カズヤが、はしゃぐ姿を見たことがない。

その時、ユウが何かを察知したように目を覚ます。

『あけおめ!』

……

『いや、まだ海に着いただけで、年越してないから。』

車内に笑いがおこる。

『ここだ。ここなら車の中からも日の出が見られるんだよ。』

そう言って、カズヤが車を止める。

かなり見晴らしがいい所で、確かに僕ら以外では1台しか車が止まってない。

『誰が乗ってんのかな?』

起きてすぐなのに、落ち着きなくユウは、隣の車を見る。

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