僕のとなりで。
その日から数日たったバイトの日。

『おはよう!』

サヤカだ。

『お…はよう。』

よく分からない。
この前、ひどい状態で帰ったはず。今日は口きいてもらえないとまで思ってたのに…。

そこには、いつも通りのサヤカがいた。

『なぁ~んか元気ないなぁ~。』

サヤカが顔を近付ける。

恥ずかしくて、フイッと顔をそむける。

『あ~!逃げたぁ!せっかく話し掛けてあげたのにぃ!』

サヤカが膨れっ面になる。

『いや…、この前さぁ…。まぁ、いいや。』

バイト前じゃ時間がないし、今する話じゃない…そう思ってやめた。

『また途中で諦めた!まぁ、いいけどぉ~。』

そう言い残して、行ってしまった。

サヤカに対して、どう接したらいいのか分からない。

“バイト前だから”そう言えない自分、もどかしい。



『お疲れ様でした。』

バイトが終わり、帰り支度をするサヤカを呼び止める。

『少し話せない?』

『いいけど、明日も仕事だから、あんまり時間ないんだ。それでもいい?』

普通だけど…なんか違う。

『あのさ、この前、おもしろくなかった?』

考え込んだようなサヤカ。

僕は、サヤカの返事を聞くのが怖かった。
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