僕のとなりで。
冗談だったのか、本気だったのか、よく分からない。

ショックを受けた僕は、慌ててフォローするチトセを無視して、帰って来てしまった。

残された皆に悪いとは思ったけど、絶対に情けない顔をしているはずだから、見られたくなかったんだ。


♪~♪~♪~


家に着いてすぐ、カズヤから電話がきた。

『なにやってんの?チトセに任せないで、自分でも否定しろよ!サヤカちゃんだって、本気で言ってるわけないんだから。』

『なんで?本気かもよ。今日は、もう寝る。』

『自分から何もしてなくて、サヤカちゃんの言ったことに逆ギレすんなよ。』

いつになく、本気で怒るカズヤ。

『カズヤみたいに、余裕ないんだよ。俺ちっちゃい人間だから。』

分かってても何もできない。

『どうすればいいか分かんないし、サヤカさんが俺のこと、どうも思ってないなら意味ないよ。さっき言ったの聞けばわかるっしょ。もういいよ。じゃあ。』

そう言って、カズヤが話したのが聞こえたけど、構わずに切った。



自分のことで、仲間に不安な想いをさせるなんて思ってなくて…。
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