僕のとなりで。
‐花火をした日から1週間‐

平日も働こうとバイトを探すため、情報誌を読み始めた。

あんな一言で余裕をなくしたりしないように…もっと大人になるために。サヤカと同じ位置に立ちたいと思った。
単純だけど、就職することで、一歩くらいは近づけるはずだから。


♪~♪~♪~


携帯の画面に、珍しい名前。

“ヒトミ”

『どうしたぁ~?』

返事がない。

『もしも~し?』

間違いかな…と思い、携帯を切ろうとした時、声が聞こえた。

『リョウスケ、サヤカちゃんとレンラク取ってる?』

急に、サヤカの話をされると、返事に間があいてしまう。

『いや、この前からレンラク取ってないし、バイトも休んでたから、会ってないよ。』

僕の返事を聞いて、しばらく黙り込むヒトミ。

『ありえないと思ったんだけど、なんか、妊婦って情緒不安定みたいで…。相談のってもらっていい?』

深刻そうなヒトミの声。

『俺でいいなら…。』

サヤカのことを聞かれただけに、イヤな予感がした。

『多分、リョウスケにも関係する話だから。』

この言葉で、予感が的中してる気がした。
< 64 / 110 >

この作品をシェア

pagetop