僕のとなりで。
僕とサヤカが付き合い出して間もなく、とにかく飲んで騒ぎたい仲間が“付き合った祝い”と称して、飲み会を開いてくれた。

『リョウスケ~、長すぎだろぉ~。やっとってカンジだよなぁ~。』

しみじみ語りかけてくるユウ。

『うるさいよ。てか、そっとしといてよ。別に、お祝いとかしなくていいし。』

付き合ってること事態慣れなくて、サヤカと2人で会うのも恥ずかしいのに、皆に騒がれると、余計にぎこちなくなる。

『えぇ~!せっかく集まったのに、そんな風に言わないでよぉ~。』

チトセが人の頭をポコポコ叩きながら言う。

『恥ずかしいんだよねぇ~。』

サヤカが余裕顔で言う。

『別に…。』

『リョウくんの“別に”は恥ずかしくて、言葉が出ない時のセリフだって分かりましたから(笑)』

サヤカが笑うと、皆も笑った。

『お前が運転手ね。俺は飲む。』

そう言って、ビールに手を伸ばすと、慌てて止めるサヤカ。

『あんなデッカイ車、あたしが運転できるわけないじゃん!ダメだよ~!』

そんなやり取りを、周りがニヤニヤしながら見てる。

気恥ずかしくて

『トイレに行く。』

と言って、席を立った。
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